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日本堆積学会功労賞(学会設立20周年) 受賞者


日本堆積学会功労賞(2022年度;学会設立20周年) 受賞者

日本堆積学会会員の皆様

日本堆積学会では2017年に学会設立15周年を記念して日本堆積学会功労賞を設立しました。功労賞は、堆積学の発展や本会の運営において 多大な貢献を行った方を表彰することを趣旨としています。学会設立20周年の今年、以下の7名の皆様が功労賞受賞者として選ばれました。 おめでとうございます。

伊藤 慎、井内美郎、岡崎浩子、公文富士夫、徳橋秀一、前島 渉、松本 良
(五十音順、敬称略)

推薦文及び推薦者

受賞者(敬称略) 推薦文 推薦者(敬称略)
伊藤 慎  伊藤慎氏は,長年にわたり野外での地層観察に基づいた堆積地質学の研究に従事され,房総半島をはじめとする様々な 地域と時代の地層を対象に,陸棚堆積物や深海堆積物,シーケンス層序学等に関する論文を国際誌に数多く発表されています。 『フィールドマニュアル 図説 堆積構造の世界』など専門書の出版にも尽力され,Sedimentary GeologyやMarine and Petroleum Geology をはじめとする学術誌の編集委員を歴任されました。千葉大学では,アカデミアや石油会社等の専門職種を含めて多方面に卒業生を送り出す とともに,留学生や海外からの研究者を受け入れ,広く人材育成に携わってこられました。日本堆積学会においては2011年から3年間,会長を 務められました。これらの業績から,伊藤慎氏を功労賞候補者として推薦いたします。
西田 尚央・柴田 健一郎
井内 美郎  井内美郎氏は1974年産業技術総合研究所(旧工業技術院地質調査所)入所以来,日本周辺海域や瀬戸内海などの閉鎖性 海域,霞ヶ浦,バイカル湖,琵琶湖などの陸水域において,これらの水域に存在する堆積物とそれに保存される第四紀環境変動史について 堆積学的,環境地質学的観点から長く研究を続けられてきた.また,1997年からは大学に着任し,堆積学の普及や後進の指導にも積極的に 取り組まれ,研究分野の発展において重要な役割を担われた.これらを通じて,特に日本における湖沼堆積物研究を長年にわたり主導して きた貢献は大きい.以上の理由から,井内美郎氏を日本堆積学会功労賞に推薦する. 井上 卓彦・天野 敦子
岡崎 浩子  岡崎浩子会員は,関東平野下総層群への堆積相解析やシーケンス層序学の適用を精力的に行い,また現世堆積物の観察, 水槽実験,物理探査,年代測定などを取り入れて,地層・堆積地形形成に関する研究に多角的に取り組まれた.古東京湾のバリアラグーン システムに代表されるように,わが国における浅海域や河川流域の地層形成の理解の刷新に大きく寄与された. 田村 亨
公文 富士夫  公文富士夫氏は,1981年京都大学大学院博士課程を修了後,1983年に信州大学理学部地質学科に助手として赴任した. 1995年に信州大学理学部物質循環学科の設立に伴い,同学科に移動し1998年から教授,2015年に定年退職した.現在も高知大学海洋コア総合 研究センター客員教授として,精力的に研究をおこない論文などを発表している.公文氏は四万十帯の砂岩組成研究を中心に研究手法の確立, 化学分析の導入など堆積学の発展に貢献した.物質循環学科への移動後は,環境研究に堆積学的手法を取り入れて多くの論文を発表した. 1980年代から90年代にかけて砕屑性堆積物研究会や堆積学研究会の組織強化に努め,2003年の日本堆積学会の設立にも尽力した.2006年に 福岡で開催された国際堆積学会議(ISC)では大会副委員長として会議の成功に貢献,2008年から2年間日本堆積学会会長として会の発展に 寄与した.以上の功績から,日本堆積学会功労賞に推薦する. 保柳 康一
徳橋 秀一  徳橋秀一氏は房総半島清澄層や新潟堆積盆川口層を始めとする数々のタービダイト砂岩研究を行なってきたことで著名で あり、世界的にもあまり例を見ない高い精度のこれら研究は,海底扇状地形成過程の議論に不可欠なものとなっている。また,ご自身のタービ ダイト研究の成果に国際的な研究動向を加え、地質ニュース記事の連載や,単行本「タービダイトの話」,「ご地層の話」を執筆されるなど、 タービダイト研究の普及にも努められた。このほか、チバニアン普及活動,各種の見学会,地質調査研修などを精力的に勤められ、後進の育成 にも尽力された。以上の理由から,徳橋秀一氏を堆積学会功労賞に推薦する。 辻 隆司・高野 修
前島 渉  前島 渉氏は、日本堆積学界中興の祖のひとりである。1970年代後半から今日に至るまで、現世および地質記録における 砕屑性堆積物の堆積作用に強い関心を示され、その研究対象は紀伊半島白亜系の浅海ーファンデルタ堆積系、西南日本新第三系を中心とした ストーム堆積物、インド・ゴンドワナ堆積盆発達過程など、広範に及ぶ。フィールドにおける綿密な地層観察、水力学的プロセスの理解、 そして透徹した論理的思考にもとづく地層形成論(Sedimentology)は、他者とは明らかな一線を画す。その学風は後進の研究者を深く刺激し、 勇気づけ、そして大いに鼓舞した。学界の発展に大きく寄与された同氏の功績は功労賞に十分値する。 武藤 鉄司・中条 武司
松本 良  松本良氏は,炭田地域の堆積岩岩石学的研究に始まり,炭酸塩岩成因論,ガスハイドレートに関わる分野を牽引し, イランや中国での炭酸塩岩に関する海外調査,ODP Leg164(共同主席研究員)や日本海の表層型ガスハイドレート研究などで多くの成果を 上げられた.また38年間に渡り,東京大学において教育活動にも熱心に取り組み,幅広い分野の多くの後進を育てられた.また学会活動では, 堆積学研究会を日本堆積学会へと組織化するにあたって尽力され,2005ー2007年,日本堆積学会会長として,学会の活性化と発展に貢献された. 2002ー2006年には国際堆積学会(IAS)副会長を務められ,2006年には国際堆積学会議(ISC 2006 FUKUOKA)を組織委員長として成功に導いた. 以上,松本良氏は日本堆積学会功労賞を受賞するに値する研究・教育業績並びに本学会への貢献実績があることから,ここに推薦する. 廣木 義久

 受賞者の方々には後日賞状と副賞をお送りいたします。

   選考委員長 池原 研
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